読書の森

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転職したくない人も一度読んでほしい『転職の思考法』。好きを仕事にしない仕事術。

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こんにちは、本貴典(ほんたかのり) @dokusho_mori です。

やれ人生100年時代やら、やれ働き方改革やら、ニュースを見るとこの話題かなり多いですよね。
終身雇用・年功序列が当たり前だった世の中はもう終わりだと言われていますし、新卒で入社した会社を選ぶときにすでに転職のことを考えている大学生もいるのだとか。

僕もこれまでに何度か転職を経験しています。そして、いま30代ですから今後も何度か転職をすることでしょう。

今回、北野唯我さんの『転職の思考法』を読みました。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法


これまで一般的に考えられていたのとは違う切り口で転職のことを紹介しており、改めて「仕事」について考え直すきっかけとなりました。

特に僕のようなbeing型の人間にとっては、救われたような気持ちにもなりました。笑

内容、ご紹介します。

お金のために働かなくなってもよい世の中になったらどうする?

テクノロジーの進化によって、生活コストはどんどん下がっていくと言われています。

例えばこの記事
無償化の波と消えゆく収益

エクスポネンシャルな科学技術の発達により、住居、移動、食事、健康、娯楽、衣服、教育等のコストは、最終的には、ゼロに近づきます。

テクノロジーの進化によって、コストが下がり、究極的には人間がやりたくない仕事は機械がやる世の中になっていくとも言われています。

そうした時に「お金のために働かなくてはいけない」という常識が崩れていく可能性もあります。

お金のために仕事をしなくてもいい世の中になったとしたら、「好きなこと」をやっていきたいと思う人がほとんどだと思います。
youtuberのように、「好きなことで生きていく」ことができたら素敵なことですよね。

ただ多くの人にとっては、お金のために働くことに慣れすぎてしまい、「好きなこと」が何なのかすらわからなくなっているのではないでしょうか。

todo型とbeing型

そもそも「好きなこと」を仕事にする必要があるのでしょうか。

本書によると、仕事を楽しむ人間には、todo型とbeing型の2通りあるそう。

  • todo型:to do(コト)に重きをおく人間。何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている。
  • being型:being(状態)に重きをおく人間。どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する。

成功者と言われる人の多くはtodo型で、明確なビジョンを持ち、それを成し遂げています。
自己啓発書やビジネス書などに書かれているのはこういう人たちで、「明確な夢を持って実現することはなんて素晴らしいことなんだ」と思ってしまいます。

しかし、実際は、99%の人間が 「being型」だと言います。
being型の人は、尊敬している人に囲まれているということなど「状態」に重きをおきます。それにも関わらず、「好きなこと」や「心からやりたいこと」を探さなくてはいけないのではという幻想を探し求めているケースも多いそうです。

長渕剛のMyselfという歌にも、こんな歌詞があり、「夢」を持たなくてはいけないと強制されているような気にもなります。


長渕剛 myself

やりたいこととやりたくねえこととが
思い通りにならなくて
「夢はなんですか」と聞かれることが
この世で一番怖く思えた

being型の人はどうしたらいいのか

多くの「being型」の人には「todo型」のように「心からやりたいこと」はみつかりません。
では「being型」の人はどうしたらよいのでしょうか?

本書では2つの「状態」を適切なバランスにすることで、「ある程度やりたいこと」を見つけ出すことができ、状態を楽しむことができると良います。

1. 自分の状態: 主人公は適切な強さか。主人公は信頼できるか。
2. 環境の状態; 緊張と緩和のバランスは心地よい状態か

仕事の上での「主人公の強さ」とは、マーケットバリューのこと。
仕事を楽しむためには、マーケットバリューがある程度あること、求められるパフォーマンスとマーケットバリューがある程度釣り合っていることが必要条件となります。

パフォーマンスとマーケットバリューが釣り合っているか確認するには、こちらの質問に答えてみることがいいでしょう。

人には、自分に合った「緊張と緩和のバランス」が存在する。
「緊張と緩和のバランス」が適切かを見極めるには、この半年の間に強い緊張を感じた場面を書き出してみること。
悪い緊張が10以上ある→職場を変えたほうがいい
いい緊張が三つ未満→より難しい業務ややったことのないことに挑戦する

「得意なこと」を「好きなこと」に近づける

being型の人間が、好きなことを見つける2つの方法が本書では紹介されています。

1:他の人から上手だと言われるが「自分ではピンとこないもの」から探す方法
2:普段の仕事の中で「まったくストレスを感じないこと」から探す方法

この2つ、かなり納得です。

「心の底から好きなこと」はなにかと聞かれたら困るけど、「得意なこと」はなにかと聞かれたらわかりますし、他の人から「得意」を指摘されて初めてわかることはかなりあります。

こうした中からあぶり出されてきた「得意なこと」を徐々に「好きなこと」に近づけていくことができると、仕事がどんどん楽しくなってきます。

楽しく仕事をしたい

今回、転職の思考法を読んで、どうしたら仕事を楽しくできるのか具体的に理解ができたような気がします。
最初読み始めた頃は、「転職本」だと思って読んでいたけど、転職を考えることによって、「仕事」とどう関わるのかを考えさせられました。
楽しい状態で仕事をすることを個人としても目指したいですし、楽しんで仕事をする同僚が増えたら単純に面白いなと。

『転職の思考法』、転職を考えていなくても、仕事について悩んだことある人(=ほぼすべての人が何かしらの悩みを持っているとは思いますが、、、)は絶対に読んだ方がいいと思います。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法