読書の森

熊本の読書屋さん兼サラリーマンが、気持ちの乗った書評と、読書グッズ、読書環境、読書ニュースのことについて書いています。

平成最後の秋だけでも読書の秋にしたい。「読書」がテーマの本3選

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こんにちは、本貴典(ほんたかのり) @dokusho_mori です。

平成最後の夏が終わり、平成最後の秋がやってきました。

  • 食欲の秋
  • スポーツの秋
  • 芸術の秋

などたくさんの○○の秋がありますが、
僕としては断然、読書の秋。

とはいえ、秋を越えて冬になってみると、「あ〜今年は読書の秋だったな〜」と思うことは少ないもの。
読書をするという習慣が普段からないと、「読書をする」ことって案外難しいですよね。

ということで今回は、「読書」というテーマを扱っている本を集めてみました。
スポーツで例えると、競技がうまくなるためにまず「練習のやり方を知る」というところでしょうか。


なんのために本を読むのか。書を貪り喰う人の読書論。

なんのために本を読むのか、目的意識がないと、本を読み続けるのは難しいと思います。

そんなときは、「本気で本を読んでいる人」を知ることからはじめてみるのもよいかもしれません。

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書で学べることに比べたら、一人の人間が一生で経験することなど高が知れている。読書をすることは、実生活では経験できない「別の世界」の経験をし、他者への想像力を磨くことを意味する。本のページをめくればめくるほど、人間の美しさや醜さ、葛藤や悩みが見えてくる。そこには、自分の人生だけでは決して味わえない、豊穣な世界が広がっている。そのなかで人は言葉を獲得していくのだ


幻冬舎社長の見城徹さんの読書論。編集者という立場でこれまで五木寛之さん、村上龍さん、石原慎太郎さんなど数々の大物と本をつくってきた経験は、読書に裏打ちさらた「人間力」あってのものでした。

ちなみにこの本の担当編集者は先日「死ぬこと以外かすり傷」を出版した箕輪厚介さん。
www.dokushomori.work


見城徹さんの持論
「自己検証、自己毛の、自己否定の三つがなければ、人間は進歩しない」

その三つをするためには深い思考が必要で、正確な言葉がなければ、その深い思考もできない。
そのために、本質的な本を読むというのが1つの答えです。

表紙に込められた熱量がこの本の全てを表しています。

見城徹の読書は血の匂いがする。ただ、文字を追って「読了」と越に入っている輩など、足元にも及ばない。書を貪り喰ったものだけが知る恍惚の表情を浮かべている。著者の内蔵を喰らい、口から真っ赤な血を滴らせている
(秋元康)

元・遅読家が書いた読書術。本を読むという行為の発想を転換。

本を読みたいけど時間がない、そもそも本を読むスピードが遅いという悩みがある人も多いと思います。
それはもしかしたら、本はすべてじっくりと読まなくてはいけない、思い込んでいるのかもしれません。

そんな方に紹介したいのがこれ。

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

一般的な、それでいてちょっと怪しげな速読本とはひと味ちがう、遅読家が本を読むためにどうしたらいいかの指南がされています。

読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」こと


本書では本を

  1. そもそも読まなくていい本
  2. 速く読む必要がない本
  3. 速く読める本

の3つに分け、このうち③速く読める本をたくさん読むことで、まずは本を読む習慣を作ってしまおうというもの。


読書習慣をつくるためにステップ細かく紹介している点が非常に面白いです。

  1. 「毎日・同じ時間」に読むようにする
  2. 「速く読める本」を中心に選ぶ
  3. 「昨日とは違う本」をいつも読む


これ以外にも、「読書体験をストックする極意」を「1ライン・サンプリング」「1ライン・エッセンス」「1ライン・レビュー」など簡単にできかつ効果的な手法を紹介しています。

本を効率的に、かつ使えるものにしたい、そんな方にお勧めです。



人生という長いスパンで戦略的に読む本を考える。

「これまでの人生読みたい本を読みたいだけ読んだ来たけど、それでいいのだろうか?」

ある程度本を読んでいくとそんな不安に襲われることがあります。

特に、ビジネス書などを多く読んでいると、
「あ、これは前に読んだあの本に書いてあったことだな」
「これはあっちの本に書いてあったことを例を変えただけだな」
など、新しい本を読んでも既読感を覚えることがあります。

もしかしたらそれは自分の人生のステージに合わせて読む本も変える必要があり、その時期に差し掛かっているということのサインなのかもしれません。

戦略読書

戦略読書

ある日職場で、初めて人と意見が被りました。
(中略)
「他人と同じこと」「ツマラナイこと」しか言えない経営コンサルタントなんて、存在意義はありません。
「面白い視点でものを言う」ことこそが価値だったのに、そんなツマラヌ存在になってしまったのかと。
そうなってしまった理由は簡単でした。
その前の1年半、人と同じものを読み続けていたためでした。

これから紹介する「戦略読書」は、自らをコモディティにしないための、戦略的な読書法です。
「何を」「いつ」「どう」読むかの工夫によって、自身のオリジナリティを育て、維持することができます。


本書では、著者 三谷宏治さんの読書歴をふりかえりながら、
人生のステージでどのような本を読んでいったらよいのかということについて、
「読書ポートフォリオ・マトリクス(RPM)」という概念を使いながら紹介しています。

「読書ポートフォリオ・マトリクス(RPM)」とは、読むべき本をセグメントに分け、その資源配分によって戦略的に読書をするというもの。

具体的には、
戦略本や雑誌を4つの象限

  1. ビジネス基礎
  2. ビジネス応用
  3. 非ビジネス基礎
  4. 非ビジネス新奇

に分けます。

そして、各セグメントへの資源配分や読み方を時間・スキルに応じて大きく変えるというもの。

本をある程度読んでしまった方で、読書について新しい視座が欲しい方はぜひ読んでいただきたいです。

巻末のセグメント別ブックガイドは435冊分もあり、圧巻です。



とはいえ、読書は自由。好きに読もう。

ここまで読書がテーマの本を3冊紹介してきました。
どれもこれまでにない読書法や考え方を与えてくれる本でとてもおもしろいです。

とはいえ、読書は自由。
好きな本を好きな時に好きな場所で好きな格好で好きなように読むのが一番いい。
というのが僕の持論です。笑


平成最後の秋を、「平成最後の読書の秋」にしたい方、いっしょに読書を楽しみましょう!



今日ご紹介した本

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書という荒野 (NewsPicks Book)

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣

戦略読書

戦略読書