読書の森

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夏の終わりに悩んでいる新卒の社会人は絶対に読んだほうがいい。無理を通して道理を蹴っ飛ばすグレンラガン式仕事術。「死ぬこと以外かすり傷」箕輪厚介著を読んで思ったこと

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平成最後の夏が終わりいつのまにか9月。ちょっと前に年明けのカウントダウンを聞いたと思ったらもう夏も終わり。いつも時間がすぎるのはあっという間だなあと思います。
個人的には夏が好きで、夏の終わりが寂しくなり、秋になると夏の勢いがなくなり仕事に悩むというサイクルが毎年やってくるように思います。笑

そんなとき、自分の場合、いつも解決してきたのがとにかく「行動」するということでした。
基本的に仕事のアウトプットは、質×量だと思っているのですが、営業職をしていた頃はこの季節は何件のお客さんに訪問したかという「量」にとにかくこだわったように思います。

会社員は夏に悩む、という仮説を勝手に持っていますが、そんな悩んだときに読みたいのがこれ。

死ぬこと以外かすり傷

死ぬこと以外かすり傷

 
著者である箕輪さんはとにかく行動の量が半端じゃない。
いま日本で一番注目されている天才編集者の一流の仕事術を行動の「量」に注目してみました。

箕輪厚介とは

2010年双葉社に入社、ファッション雑誌の広告営業として四年間、タイアップや商品開発、イベントなどを企画運営、『ネオヒルズジャパン』与沢翼 創刊。2014年から編集部に異動し『たった一人の熱狂』見城徹/『逆転の仕事論』堀江貴文/『空気を読んではいけない』青木真也 2015年7月に幻冬舎に入社。 東洋経済オンライン、アドタイでコラム。オンラインサロン運営、堀江貴文大学校で特任教授など。
「多動力」堀江貴文・「ネオヒルズジャパン」与沢翼・「悪意とこだわりの演出術」藤井健太郎の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得。 他に「日本3.0」佐々木紀彦、「空気を読んではいけない」青木真也、「まだ東京で消耗してるの?」イケダハヤト、「新企画」鈴木おさむなど。堀江サロン教授、渋谷のラジオ、ニューズピックスブック創刊。

活躍は本の編集だけにとどまらず、編集を切り口に、プロデュース業やオンラインサロンの運営を行っており、副業の収入はサラリーマンの月収の約20倍ともいいます。
編集とネットを組み合わせるのは日本で一番得意とも言われ、自らがインフルエンサーとなり本を売ってしまう、というスタイルが注目されています。

圧倒的に量をこなすということ

本書の大きなメッセージのひとつが、「量」をこなすということ。
「量」に関する記述で印象的だったことを本書の中から紹介していきたいと思います。

見城徹の五体からは爆発的なまでの熱狂がほとばしっているが、僕も発狂していた。20時間近くある取材テープを通勤電車など時間があればとにかく聞き込んだ。すべての発言を完璧に記憶して口を開けば見城徹さんのことばかり。ライターには「気が狂っている」と言われ、妻には「見城さんと結婚しろ」と言われ、まだ喋りだしたばかりの子どもは強面の男がテレビに出ると「ケンジョーサン」と言うようになった。

箕輪さんが初めて編集者として幻冬舎社長の見城徹さんの本を担当した時のエピソード。「すべての発言を完璧に記憶している」など狂気の沙汰だと思います。
これほどまでに著者を好きになり著者に熱狂するためには、どれだけ著者のことを考えているのかということが想像できます。

仕事と遊びの境界線がないから、酒を飲んでいるときも映画を観ているときも仕事だと言えるし、24時間遊んでいるとも言える。朝からまた次の朝まで。遊びのように仕事をやり、仕事のように遊びをやる。

量をこなすことの重要な要素は、努力を努力と思わないこと。
努力=つらいもの・我慢するものと思ってしまいがちですが、力を入れて一生懸命に頑張り続けるということはよほど体力のある人でも難しいもの。
だけど、好きなことや熱狂できることは「努力」とは思わない。そうすると遊びが仕事になり、仕事が遊びにになる。
これは堀江貴文さんも言っていることですよね。

よく、時代が変わっても変わらない普遍的なことを学ぶために一度下積みをしたほうがいい、就職はしたほうがいいと言う人がいる。(中略)
しかし、普遍的なことというのは現場で死に物狂いで試行錯誤していれば自然と身に付いている。学ぶものではない。

量をこなす、といってもその方向を間違ってしまっては元も子もありません。いくら球拾いを一生懸命やっていても、ホームランを打てるようにはなりません。
ホームランを打つためにはどんどん打席に立つことが重要です。時間は有限なので、昨日までできなかったことをどれだけやるか、とにかくやるということに重きを置くのがよいのだといいます。

箕輪厚介はグレンラガン


本書の文章に圧倒的に熱量は、過去にどこかで感じたことがあるように思え、思い出したのがグレンラガン。
とにかく!熱量が高い。


天元突破グレンラガン 合体総集編

特に、アニメの中でたびたび言われる、「無理を通して道理を蹴っ飛ばす」というのは本書の中でたびたび出てくる箕輪さんの仕事の仕方に通じることがあります。

通例で考えたら無理なことばかり。僕は板挟みになりながらそれを伝えると「箕輪、よく聞け。無理はなあ、通すためにあるんだよ!」と一蹴された。

無理と言われたら突破する。ダメだと言われたら強行する。僕は半ば意識的に予定調和を破壊する。ありえない日程で出版まで駆け抜ける。イベントをドタキャンする。泥酔状態で偉い人との会食に行く。社会手不適合者だと後ろ指をさされても、これでいいのだ。

圧倒的な結果を出すためには、狂ったような熱量で「無理を通して道理を蹴っ飛ばす」ことをし続けなくてはいけないのかもしれません。

悩んだときは量をこなして汗をかく

「ピカソはなんで天才かわかるか?多作だからだ」と秋元康が言った。

悩みを抱えているとき、時には立ち止まったり閉じこもってしまってもいいかもしれないですが、最終的にその悩みを乗り越えるのは行動することしかないと思います。

「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」
という運動の第一法則のように、
止まっていても状況はなにひとつは変わることはありません。
そして、一度動き出してしまえば案外すんなりと動きだせるというのは、経験したことはあるのではないでしょうか。

最後にこの本で一番印象的だったフレーズをご紹介します。

量だけは裏切らない。誰よりも動け。

とにかく前のめりに動こう!

死ぬこと以外かすり傷

死ぬこと以外かすり傷