読書の森

熊本の読書屋さん兼サラリーマンが、気持ちの乗った書評と、読書グッズ、読書環境、読書ニュースのことについて書いています。

熊本にあるNHK大河ドラマ「いだてん」関連の施設に行ってきた感じたこと。リアルを体験すると作品が2倍面白くなる。

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こんにちは、熊本県在住のほんたかのり @dokusho_mori です。

2019年のNHK大河ドラマいだてん面白いですね。1月6日の放送開始から、毎週の日曜の放送を楽しみにしている僕です。
中村勘九郎さんが演じている今回の大河ドラマの主役「金栗四三」さんが熊本県出身ということもあり、いま熊本では金栗フィーバーが起きています。

テレビのローカルニュース番組でも1月にオープンしたばかりのいだてん関連の施設について、連日報道されているほどです。

先日ようやく僕もオープンしたばかりの施設に実際に行ってきました。

ちゃんと調べてみるまであまりわからなかったのですが、熊本県内に3つもいだてん関連の施設があります。

こちらの施設がとても面白く、この施設に行ったからこそ、本編のドラマ自体もさらに面白く鑑賞することができました。


中村勘九郎さん・阿部サダヲさん・北野武さんなども出演する大河ドラマいだてんの概要

日本が初めて夏季オリンピックに参加した1912年(明治45年)のストックホルムオリンピックから、幻となった東京オリンピック(1940年の予定が、戦争で返上)開催を決めた1936年(昭和11年)のベルリンオリンピック(1936年)を挟んで、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催までの52年間の知られざる歴史を章立てに分け[注釈 1]、日本人初のオリンピック選手となった「日本のマラソンの父」金栗四三と、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治(日本水泳連盟元会長)の2人の主人公をリレーする形式で描く[2]。主人公が作中で変わる「リレー形式」となるのは『葵 徳川三代』以来19年ぶり[4]。
物語は五代目古今亭志ん生が語る架空の落語『オリムピック噺』の語りにのせて進行するという形式で、随所に志ん生自身の人生も挿入され、その視点で見た明治から昭和までの東京の変遷も描かれる
(引用:wikipediaより
いだてん〜東京オリムピック噺〜 - Wikipedia

NHK大河ドラマの第58作目として、製作されている『いだてん』。
日本人初のオリンピック選手「金栗四三」さんと、東京オリンピック招致に尽力した「田畑政治」さんの2人焦点を当てた本作。
大河のイメージとして勝手に時代劇と思い込んでいましたが、時代は明治から昭和にかけてという比較的新しい時代。

五代目古今亭志ん生が語る架空の落語『オリムピック噺』の語りにのせて進行するという形式が斬新で、当時の時代背景や登場人物の心情が複雑に描かれています。

詳しくは、放送をぜひ見ていただきたい。



熊本県内のNHK大河ドラマいだてん関連施設

さて、熊本県内のいだてん関連施設は3つあります。簡単に概要をご紹介します。

場所がそれぞれ離れているため、車で回ることをおすすめします。
シャトルバスも運行しているので、公共交通機関で回る方はこちらを利用するのもいいかもしれません。

金栗さんが育った家 金栗四三生家記念館

www.kanakurishiso.jp

熊本県和水町中林にある、金栗四三さんが生まれ育った築200年の生家。
ドラマの中でも出てきた金栗さんの小さな勉強部屋である「学校部屋」や、金栗さんが隣町にある高等小学校までの往復約12kmの道のり「金栗ロード」の出発点など、金栗さんがどのような環境で育ったのか、体感することができます。

金栗さんの生き様を知る金栗四三ミュージアム

www.kanakurishiso.jp

日本マラソンの父 金栗四三さんのすべてがわかるミュージアム。

和水町名誉町民で、日本マラソンの父「金栗四三」を等身大の視点で紹介し、日本のマラソン界発展のために捧げたその生涯を体感できるミュージアムです。 四三が着用したユニフォームなどのゆかりの品々、マラソンの基礎となったかけあし登校の紹介映像、「こんなの見たことない」と言ってしまいそうなマラソン足袋型のソファー、四三が創設した箱根駅伝など、ここに来れば日本マラソンの父のすべてがわかるものとなっています。

金栗さん、けっこうすごいエピソードも多いのです、一番おもしろいのが54年かけてマラソンレースを完走したというお話。
1912年の第5回のストックホルムオリンピックで、日本人初のオリンピック選手としてマラソンに出場した金栗さん。出場者68名中、完走は半分の34名、亡くなる者も出るような過酷なレースで、金栗さんも途中棄権となってしまいます。
ところが、76歳となる1967年にストックホルムより1通の手紙が届きます。「あなたはまだゴールしていません」と。ストックホルム大会開催55周年を記念する式典を開催するために、当時の記録を調べていたスウェーデンのオリンピック委員会が調べていたところ、金栗四三さんはレース中に「行方不明」になったという記録があるのみ。

記念式典当日、大観衆の競技場を金栗が走り、テープを切ったとき「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム54年と8か月6日5時間32分20秒3、これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」とアナウンスされました。これに金栗は「長い道のりでした。この間に嫁をめとり、6人の子どもと10人の孫に恵まれました」と答え、会場は大きな感動の拍手と歓声で包まれたそうです。
(金栗四三ミュージアムHPより引用
いだてん-日本マラソンの父【金栗四三ミュージアム】 / 終章

ほんと粋な演出をしてきますよね。
こんなエピソードがたくさん展示されています。

大河ドラマの裏側や撮影秘話、撮影に使われた衣装などが見られるいだてん大河ドラマ館

kanakurishisou-taiga.com


大河ドラマ館は、金栗四三さんについてだけではなく、その名の通り、大河ドラマ『いだてん』について展示されている施設です。
展示の内容などはまだまだ公式ホームページにもほとんど掲載されていません。

美術セットが建てられるまでのタイムラプスや、美術デザイナーへのインタビュー、衣装や小道具の展示、ここでしか見られない特典映像などなど、とにかく大河ドラマファンならヨダレものの一度は訪れたい施設です。


リアルと作品を行き来すると作品はもっと楽しめる

ごくごく簡単にですが、熊本にあるNHK大河ドラマ「いだてん」関連の施設についてご紹介しました。

実際に行ってみて思ったことは、いだてんが作られた背景や、ドラマの舞台裏、登場人物のリアルな生き様や息遣いなど、こういった、ドラマを見ているだけではわからないことを実際に現地で体験すると、ドラマがもっと面白くなるということ。
生家が意外に広いとか、隙間風が多くて寒いとか、そういった肌感覚はドラマを見ているだけではわからないですし、現地のガイドの方も温かく、こういった息遣いもただドラマを見ているだけではわかりません。

大河ドラマだけではなく、小説などの作品においても、こういった「現地を見る」というリアルな体験と、「作品」を行き来すると、もっと作品を楽しめると感じました。
過去に箕輪厚介さんのイベントに参加した時にも同じようなことは感じました。
www.dokushomori.work



個人的には森見登美彦ワールドをもっと楽しむために、京都のあたりを旅したいなあと思ったり。

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)

森見登美彦の京都ぐるぐる案内 (新潮文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

有頂天家族 二代目の帰朝 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 二代目の帰朝 (幻冬舎文庫)

『四畳半神話体系』とか『有頂天家族』の世界観がもっと楽しめるなあと。

こういう旅とか憧れます。
sasamon-blog.hatenablog.jp


今回は、いだてん関連の施設をご紹介しましたが、リアルと作品を行き来しながら、これからも作品を楽しんでいきたいなあと思ったところです。

金栗本ももっと読まなくては。

金栗四三と田畑政治 東京オリンピックを実現した男たち (中経の文庫)

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金栗四三: 消えたオリンピック走者

金栗四三: 消えたオリンピック走者

伝説のオリンピックランナー?いだてん?金栗四三 (1964年東京オリンピック物語)

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